ダナン経済・投資環境

 ダナン市は、ベトナム5大都市のひとつであり、ベトナム中部における経済・文化等の中心地です。
観光から投資といった幅広い分野で人気が高まっている都市であり、成田空港、羽田空港との直行便、コロナ前は中部空港との連携も予定されていました。堺市との姉妹都市締結や、2020年1月には、日本領事事務所の開設が予定されるなど、日本との関係強化も進んでいます。
 ダナンといえば、世界的な観光地として知られておりますが、観光産業に限らず、他国の生産コスト上昇や米中貿易摩擦による生産移管の流れの中で、豊富で安価な労働力、利便性、地理的優位性など、製造拠点としての評価も高まっているとともに、IT産業も急成長しています。
 今回は、そんなダナンの経済・進出動向をまとめました。

この記事を読めばこれが分かる!

POINT
  • ダナンの経済状況
  • なぜ、ダナンは外資企業から投資先として選ばれるのか
  • ダナンで急成長中の産業

ダナン 基本情報

ダナン基本情報

参照: ダナン市投資促進委員会

主に観光産業、製造業、IT産業の外資進出加速とともに経済発展を遂げるダナン

 ダナンは、ベトナム中部に位置し、人口100万人を超えるベトナム中部の経済中心地です。ダナンには、魅力的なビーチ、豊かな自然とともに、都市化が進み、インフラも急速に発展。外国人にも住みやすい環境となっています。投資環境としても、市内には工業団地があるほか、IT企業への優遇、ダナンの世界的な人気とともに、多くの外資有名ホテルも進出しています。
 こうした、外資の進出と産業の発展が、ダナンのGDRP(地域内総生産)成長率、一人当たりGDRP上昇につながっています。

ダナンGRDP(地域内総生産)税調率 参照:ダナン市投資促進支援委員会
ダナン一人当たりGRDP推移 参照: ダナン市投資促進支援委員会

ダナンへの海外直接投資内訳

 ダナンへのFDI(海外直接投資)の国別・業種別の資本比率、案件数内訳は以下となります。総資本比率では、国別で日本が最も多く、日本との関係強化が進んでいます。

 業種別では、近年不動産業、製造業、加工業に加え、IT産業や外食産業といったサービス業の成長もあり、投資業種の多様化が進んでいます。

参照: ダナン投資促進委員会

ダナンが外資企業から
投資先として選ばれる理由

製造拠点としての優位性

ベトナム南北を通る国道一号線・ミャンマーまで続く東西経済回廊が通る地

ダナンには、ミャンマー、ラオス、タイまで続く東西経済回廊、ベトナムの北はハノイ、南はホーチミンまで続く国道一号線、国内3番目の規模を誇るダナン港を持ち、輸出、加工業、製造業にとっての地理歴優位性があります。

工業団地・ハイテクパーク

 現在ダナン市では、6カ所の工業団地、3箇所のIT工業団地が稼働しています。また、新たに3カ所の新設工業団地の投資を呼び掛けています。
 外資企業に対しては、各工業団地で、法人税率の免税、賃料の割引、一部関税免税などの優遇措置を受けることが可能です。
 詳細はこちら(ダナン市投資促進委員会)

参照: ダナン市投資促進委員会

充実したインフラ

ダナン国際空港

 ベトナム最大三大空港の一つであり、ダナン市の中心部よりたったの10分の場所に位置しています。2019年の時点では年間1500万人以上が利用しており、毎週の国際便数は480便、1日の国際便数は約172便にものぼります。シンガポール、タイ、マレーシア、香港、韓国、日本など、アジアの様々な都市の直行便が就航しています。

ティエンサ港

 国内最大の国際海洋港の一つであり、中部地域の海運の中心です。ダナン市は、ミャンマー、ラオス、タイまで続く東西経済回廊の終点地のため、本港の利用価値が更に高まっています。

写真: ダナン投資促進委員会

コスト面でのメリット

 ダナンが投資先として選ばれる理由の一つに、コスト面でのメリットがあります。大都市のハノイやホーチミンに比べ、物価が低いため、賃金やオフィス、工場におけるコストを抑えることが可能です。

労働賃金(単位:USD)

参照: 日本貿易推進機構「第26回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較調査」(2018年実施)を基に作成されたIPA資料

 ダナン市投資促進委員会によると、ダナン市の人口の約51%以上を占めるダナンの労働人口は、その多くが若年層であり、エネルギッシュで勤勉な性格を持ち合わせ、また、ダナン大学をはじめ高等教育機関が40校も存在し、優秀で若い労働力が豊富に排出されています。
 ダナン市では、近年高まる日系企業の日本語話者人材へのニーズに対応して、日本語教育にも力を入れています。ダナン外国語大学の日本語学科をはじめとして、最近では中学校での日本語教育なども実施しています。

インフラ維持費を含めた工業団地借料(単位:USD)

参照: 日本貿易推進機構「第26回アジア・オセアニア主要都市・地域の投資関連コスト比較調査」(2018年実施)を基に作成されたIPA資料

 ダナン市の工業団地は、ホーチミン、ハノイ近郊の工業団地と比べ、コスト面で有利なだけでなく、市街地からの距離も比較的近い傾向にあります。

各都市オフィス賃料比較(単位:USD)

参照: Colliers International Office Report 2019

 ダナンのオフィスの賃料も、その他都市に比べ、コストが非常に低いことが分かります。

観光地としての優位性

 コロナ後に、ダナンでさらに投資が加速する産業として期待されるのが観光業と不動産業です。
 ダナンでは、魅力的なビーチ、日帰りで行ける世界遺産など、観光スポットが充実しています。ホテルにおいては、すでに有名ブランドホテルが数多く進出し、コロナ前は高い稼働率をあげていました。日系ではルートインやサンフロンティア不動産、そしてホテル三日月が12ヘクタールの敷地のリゾート開発に約120億円を投資しています。
 その他にも、現在弊社でも、コロナ禍にも関わらず、コロナを見据えて進出検討中の日系、韓国系企業がございます。
 ダナンの観光地としてのポテンシャルは、こちらで更に詳しくまとめました。

住みやすさ

 弊社は、多くの日本人の駐在員の方々、ベトナムで起業された方々のお話をお聞きしましたが、やはり住むなら、ホーチミンやハノイと比べ、「ダナンが良い」と仰る方が非常に多いように思います。
 住みやすい理由として、以下が挙げられます。

  • 美しいビーチ
  • どこへ行くにも10分~15分圏内で行けるところが多い
  • 治安の良さ

美しいビーチ

 ダナンを気に入って頂く多くの方が口を揃えて仰るのがビーチです。中心街からも5~10分程度で行けてしまうので、ダナンに住む人にとって、ビーチは身近であり、ダナンに移住や駐在をきっかけにサーフィンや海のアクティビティーを始める方も少なくありません。

どこへ行くにも10~15分で移動可能

 ダナンはコンパクトな街ですので、ドアTOドアの移動も10~15分圏内。しかも渋滞がないために、移動に時間が掛かりません。空港へも中心街からたったの10分ほどで到着可能です。物流、ベトナム国内、東南アジアへの出張にも快適です。

治安の良さ

 ダナン市では、市全体で、5つのNO(貧困世帯なし、小中学校において中退する生徒なし、物乞なし、麻薬中毒者なし、物目当ての殺人なし)と3つの持つべきもの(住居、仕事、文明化されたライフスタイル)の実践を通じ、生活の質向上を目指しています。世界テロ指数という、世界でテロの影響力が強い国を数値にしたランキング(では、ベトナムは104位にランクインし、テロの影響力が低い国であることがわかります(ちなみに、日本は67位となり、順位が高くなればなるほど、テロの影響が大きいとみなされます)。そのベトナムでも、ダナンは治安が良いと言われています。

まとめ

CHECK
  • ダナンは、観光産業だけではなく、製造業、IT産業においても外資進出が加速し、急成長を遂げている都市である。
  • 地理的優位性、工業団地での優遇制度、充実したインフラ、コスト面でのメリットなど、製造拠点として有利な地である。
  • 魅力的なビーチ、日帰りで行ける世界遺産など、観光スポットが充実しており、多くの有名ホテル外資企業が進出している。
  • 綺麗ないビーチ、移動のしやすさ、治安の良さが、外国人にとって住みやすい街となっている。

 いかがでしたか?今回はダナンの経済状況・投資環境をまとめました。ダナンは、観光地としての印象が強いですが、それだけではなく、他の産業の成長も進んでおり、今後更なる発展が期待できます。
 弊社では、そんなダナンへの進出・企業買収・不動産購入コンサルティングを行っております。
 ダナン進出、不動産購入をご検討されている方は、是非ご連絡ください。

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