コンドテルとは、「コンドミニアム」+「ホテル」の融合型で、ホテルの一室を購入したオーナーがホテル運営会社に委託して、ホテルとして運用し、オーナーが使用しない期間はホテルとしての運用を行い、その利益の配当を受けることができるシステムです。このシステムのことを、「レンタルプログラム」といいます。
レンタルプログラムに加入すると、オーナーは 年間15日~30日間(ディベロッパーにより異なります)滞在することができます。
一般的なマンションは、継続した物件管理やクレーム対応、賃料の徴収、未払いの賃料催促をなど、管理の工数がかかりますが、コンドテルの場合は、ホテルオペレーターが一括して管理を行いますので、オーナーの負担が軽減されます。
また、一室の稼働率により配当が変わるのではなく、ホテル全体の売上から経費を引いた利益を面積の持ち分で配当します。配当の割合に関しては、ディベロッパーにより異なりますが、建設途中の物件、販売当初の物件ほど条件が良い傾向にあり、完成につれ、ディベロッパーや運営会社側に有利な条件になる傾向があります。
ダナンではどんな物件がコンドテルなのか?
Shantira Beach Resort & Spa
ホイアン方面に位置するアメリカの大手ホテル運営会社のウィンダム運営のコンドテル物件です。ホイアン旧市街から車で15分、ホイアンのビーチであるアンバンビーチに面するビーチリゾートとなっており、ほぼ全部屋がビーチビューとなっております。
Hyatt Regency Da Nang
有名ブランド、ハイアットによるコンドテル。
現在転売物件で売りに出ているものはありませんが、以前出た転売案件では、平米約4000ドル以上となっており、
なかなか売りに出ないプレミアム物件となっております。
コンドテルの権利関係
ベトナムのコンドミニアムでは、ピンクブックという権利書を取得することで権利を主張することができます。
ピンクブックの詳細に関してはこちらをご確認ください。
しかし、コンドテルは、コンドミニアムとは異なる権利形態となり、ピンクブックを取得できる物件に該当しません。理由としては、コンドテルは、ピンクブックを取得できる「住宅物件(一般的なマンション)」と異なり、ホテルの運用を行い、収益を得る目的での保有となるため、法的にピンクブックを取得できる物件として定義がされておりませんでした。
(2023年5月20日に施行された新政令では、商業サービス用地に建設された、またはこれから建設されるコンドテルやオフィステル、観光用別荘、ショップハウスなどのプロジェクトについて、土地、建設、不動産取引に関する法的要件を満たすものであれば、それらの購入者にピンクブックの取得を認めるとしています。しかし、ベトナムでは法律が施行されたとはいえ、実際の物件の発行に至るまでは、時間がかかる傾向があります)
契約・権利形態
一般的なマンションであるピンクブック取得可能物件の契約形態は、売買契約であるのに対し、コンドテル物件は、ディベロッパーと長期リース形態になります。
売買契約物件をSPA(Sales Purchase Agreement)物件といい、長期リース物件はLTLA(Long Term Lease Agreement)物件といいます。
権利の保証
SPA物件は、政府により保証されるのに対し、LTLA物件は、ディベロッパーによる保証となります。そのため、ディベロッパーの選定が大変重要になります。ディベロッパーの財務状況、物件が頓挫した場合の保証銀行はあるのか、などの調査が必要です。
保有可能期間
SPA物件はピンクブック発行から50年間であるのに対し、LTLA物件に関しては、【ディベロッパーが政府から土地の引渡を受けてから】50年間となりますので、ディベロッパー選定において注意が必要です。
コンドテル選定における注意点
ピンクブック取得可能である一般的なマンションと異なり、権利を保証するのはディベロッパーとなりますので、ディベロッパー、そしてホテル運営会社を考慮しながら、慎重に選定する必要があります。
具体的には、以下を念頭に考慮する必要があります。
・ディベロッパーの財務能力、資産、その他プロジェクト
ディベロッパーが破綻してしまっては、長期リースを継続することができません。どのような財務能力を持つディベロッパーなのか、資本金は十分あるのか、他に資産はあるのか、などを考慮して選定する必要があります。
・ホテル運用会社のブランド
ホテルとしての運用になるため、ホテル運用会社がブランド力のある会社なのか、集客力がある会社かどうか、希少価値のあるブランドであるかどうか確認する必要があります。
コンドテルのメリット
コンドテルは、一般的なマンションと異なる権利形態ではありますが、管理の手間が省ける点、世界的なホテルブランドである点、そしてダナンにあるコンドテルの場合、海側に位置することが多いため、立地に優れていることが多いです。コンドテルを選定する場合は、選定における注意点を考慮しながら、選定されることをお勧め致します!